佐古歯科 上野御徒町の歯医者

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アマルガムと12%金銀パラジウム合金

 アマルガム.jpg写真はアマルガムです。むし歯を削ってすぐに詰めて治療は終わります(当院では行っておりません)。
つめた後はねずみ色でしばらく表面はつるつるしていますが、経年劣化が起こり写真のように濃い灰色で表面がひび割れたり、境目からアマルガムが欠けてしまいます。
すこしずつ欠けて破片は飲み込んじゃってます。
日本の歯科学会の見解(PDF)を参考までにご覧ください。
http://www.ousda.jp/・・・/saisin_news.03922.00000002.pdf
アマルガムの毒性を否定しているので、日本から無くなることはないでしょう。
写真の歯の周りの緑色はラバーダムシートといいます。
アマルガムを除去するときに最低でもこのシートをかけていないと、アマルガムの削りかすが口の中に飛び散り、少量でも飲み込んでしまう危険があります。
アドバイスとして
1.むし歯の処置にアマルガムを使わないよう明言する。
2.アマルガムを除去するときラバーダムシートをかけてもらう。
  それをしない歯医者ではアマルガムを除去しない。


パラジウム.jpg 写真
はパラジウムです。正式名称は12%金銀パラジウム合金です。

合金の規格があり、12%が金、20%がパラジウム、45〜50%くらいが銀、あと数%が亜鉛、メーカーによっては微量にガリウムやインジウム、イリジウムなどが入ってます。

アマルガムは銀・スズ・銅・亜鉛の粉末と無機水銀との合金です。50%が水銀(重金属)で出来ています。アマルガムは口の中では少しずつ腐食して水銀が溶け出し体内に蓄積されル可能性が大です。
12%金銀パラジウム合金自体は、腐食や欠けたりなどもほとんどなく変質変色おこりにくいです。ただし、表面から金属イオンが溶け出す事は否定できません。
高度経済成長期の1960年頃、国民皆保険が導入される際12%金銀パラジウム合金が保険治療に導入されました。歯科医師会は当時体にとって悪影響のないと思われていた「貴金属(金合金)」の導入を提案しましたが、当時の困窮した日本経済では「金合金」の導入は保険制度では国に負担がかかりすぎると判断され、パラジウムを混ぜて安価にした「12%金銀パラジウム合金」を保険診療で使用すると決定しました。ただし、「金銀パラジウム合金をもっても許容限度」と報告しています。つまり、当時の金属毒性の研究で人体が耐えられる最低レベルの合金ということです。


現在では金でもチタンでも金属アレルギーになってしまう方が増えています。